神奈川の風俗情報探すならビンビンウェブ!

閉じる

ビンビンウェブ千葉・茨城・埼玉の会員情報は統合いたしました。
各都道府県でアカウントを作成したパスワードは千葉>茨城>埼玉の順で優先されます。

例:ビンビンウェブ千葉とビンビンウェブ埼玉で会員登録をしていた場合は、
ビンビンウェブ千葉のアカウントでログインしてください。

ログイン 会員ログインはこちらから

新規登録はこちらから

会員登録

新規登録はこちらから

会員登録

アラビアンナイト 川崎 / ソープ

8:30~翌0:00

当日予約8:00~

神奈川県川崎市川崎区堀之内町13-8

JR川崎駅/京急川崎駅 ※送迎車ご用意致しております。

入浴料 11022,000円~

利用可能カード:VISA、MASTER

044-233-4152

※お電話の際に「ビンビンで見た」とお伝えください

電話する

お店の電話番号をコピー

アカリの写メ動画一覧

アカリ(21)

アカリ(21)

T164 B88(E) W56 H87

本日出勤 11:00〜翌00:00

  • 投稿日時

    シーザーは裸だ・前

    ?

    しかして今この場には

    その逆賊たるお子様すらいない。

    私は私によって糾弾されているのだ。

    なんということだ。

    ということは

    私はシーザーであり

    お子様であり、逆賊である。

    なんだかよくわかないが

    とりあえず私が私に対して

    逆賊であることだけは明白だ。

    私はこれをば断罪せねばならない。

    しかし内なる私を

    私は視覚で捉えることができぬのであって

    これは単にこの場に

    逆賊たるお子様がいないだけで私は依然

    裸のままであるという

    状態に変わりないのであって

    となると、件の糾弾者が現れなかった場合

    あの王様はどうしたであろうか?

    決まっている。

    威風堂々と裸で我が国を

    我が物顔で練り歩いたはずだ。

    では私もそれに倣おう。

    倣えばいいではないか。

    何故なら私は王ではないがシーザーである。

    なりかけ終身独裁官である。

    ブルベだのイエベだの

    ゴチベだのモチベだの

    そんなものは下らぬ民の戯言だ。

    私は私の好きな色を着る。

    そも色というのは自分をして

    何のために存在するか?

    似合うためか?

    否。

    自分を好きになるために決まっている。

    私が私を好きになるための色。

    それ即ち裸だ。

    仮面も鎧も脱ぎ捨てた己自身を愛せずして

    何がお似合いだ。何が色合いだ。

    無機物に装飾された体しか

    愛せないというのならば

    マネキンでも抱いて寝ていればよろしい。

    私は気持ちを発奮させながら

    堂々たる裸の体でイエジに着いた。

    パジャマでベッドに横たわった自分を見ると

    プリンのようだった。

    それもぷっちんプリンである。

    私はこの世の色の理からぷっちんされて

    このベッドに産み落とされたのである。

    世の苦々しさを味わった後に

    甘き眠りを貪る。

    嗚呼、プリンの構造と似ているなぁ。

    私はプリン体を気にしながらも

    プリプリと眠りについた。

    夢の中では

    逆賊の少年が王国を牛耳っていた。

    どもね。
    ?

    ?アカリ?

    ?

    X? ??https://x.com/akariakarinan

    公式LINE??https://lin.ee/C71yZMt

    ?? ??arabi_akari_otoiawase@outlook.jp

    ?

    ご予約詳細??https://lit.link/ARABIakaridada

    ?

    ※公式LINEが凍結してしまったので

    ?

    再登録お願いします??♀?

    ?


    ?

    続きを読む
  • 投稿日時

    シーザーは裸だ・在

    ?

    なんて、コーラ片手にグダグダと

    脳内でくだを巻いて戯言をほざきつつ

    駅前のコインロッカーから

    黒ジャケット取り出しこれを纏い

    フルアーマーとなった。

    ふと隣にあった鏡を見て、震えた。

    全身にある色が、ベージュとブラックのみ。

    これではまるで

    裸と変わらないではないか。

    肌色と黒のコントラスト。

    それらが導き出すのは、公序良俗違反。

    猥褻物陳列罪。

    なんということか。

    もしここに心の清らかな少年がいて

    「王様は裸だ!」と言われたら

    私はその少年を処刑するだろう。

    なぜかって?

    私の心はまだシーザーだからだ。

    そんでもって前から思っていたのだが

    あの物語の、王様に対して

    空気も読まずに心無い糾弾をするあの少年。

    あれを「心が清らか」として

    果たして本当に良いのだろうか?

    何がって、教育的にどうなのだろうか?

    我が国のスローガンの基 盤は

    「和をもって尊しとす」であるからして

    あのようにみだりに、公の場で

    気持ちよく散歩をしている国主に向かって

    空気も読まず、また陛下のお心持ちも弁えず

    一刀両断に天然を衒って

    これを糾弾するなどいうことが

    果たして正しきこととしておくに

    相応しいであろうか?

    なんとなればこの少年の本性は

    「この俺が真理を大声で叫んでやるのだ!

    この俺のいうことは無条件で正しいのだ!

    何故ならこの俺は大事な大事な

    後世を支えるお子様だからであって

    これを罰するような国主は

    ろくなものではなく

    他の列強国からの謗りも免れまい。

    そして大人のような

    汚れ切った俗物的な性根の腐った人畜を

    下剋上的に再教育してやるのも

    我々お子様の義務であり

    また特権であるのだ!

    さあ、我が言葉に恐れ戦け国王よ!

    行商人如きに騙されるような暗君ならば

    更に我が奸計にてこいつをたらしこみ

    全権委任法を発動させ

    その力を我が物にしてやろう!

    心の清らかな俺こそが

    終身独裁官となるに相応しいのだ!

    くわつはつはつはつ」

    などという恐るべき野心、目論み企みを

    その矮躯に毒針のように潜ませた

    スズメバチの如き

    逆賊かも知れぬではないか。

    ならば絶対王政の権威を守り通し

    また市民の求心力を

    これ以上失わないためにも

    これなる逆賊を放置するという選択は

    国主としてありえないのである。

    百歩譲ってシーザーが許しても

    私が許さない。

    そして私=シーザーであるため

    やはりシーザーもこれを許さない。

    全方位の四面楚歌で

    私の邪眼は許しはしない。

    なんとなれば

    「俺はいいけどYAZAWAはどうかな?」

    的理論で以て断罪すること然りであろう。

    ?

    ?アカリ?

    ?

    X? ??https://x.com/akariakarinan

    公式LINE??https://lin.ee/C71yZMt

    ?? ??arabi_akari_otoiawase@outlook.jp

    ?

    ご予約詳細??https://lit.link/ARABIakaridada

    ?

    ※公式LINEが凍結してしまったので

    再登録お願いします??♀?


    ?

    続きを読む
  • 投稿日時

    シーザーは裸だ・列

    ?

    帰り道、私は自販機でコーラを買った。

    これを飲み干して

    今日一日の心のわだかまりを月賦

    否、ゲップにて

    一括に出してしまいたかった。

    然しながら思ったより炭酸が強烈である。

    結果、私は体内により

    大量の気泡を抱え込むことになった。

    この気泡が私の心中の汚泥と弾けて混ざって

    ちょっぴり

    ビターなテイストになってくれたなら

    夏場にブルーベリー味のかき氷を

    ガッついて頭を痛めることもないだろうに。

    そう、私はブルベ夏の女。

    ブルペンで必死に夏の甲子園を目指す

    かのような夢見る花魁おこじょ。

    夏に青い顔をして突っ立ってるなんて

    まさにフジキくんじゃないか。

    そうか、彼はブルベ冬ではなかったんだな。

    ブルベ冬はあれだ

    ペンギンとか、雪だるまとか、お岩さんとか

    多分そういう親しみやすいやつだ。

    お岩さんなんて、毎回皿を割っちゃう

    ドジっ子属性まであるからね。

    唇を紫にして常に小刻みに震えている奴の

    何がブルベ冬なものか。

    西野カナじゃあるまいし。

    でも彼女は年がら年中

    会いたくて会いたくて震えているわけで

    ブルベブルブルのブルベ四季。

    やはり西野カナは度し難い。

    彼女にはトリセツが不可欠だ。

    ?

    ?アカリ?

    ?

    X? ??https://x.com/akariakarinan

    公式LINE??https://lin.ee/C71yZMt

    ?? ??arabi_akari_otoiawase@outlook.jp

    ?

    ご予約詳細??https://lit.link/ARABIakaridada

    ?


    ?

    続きを読む
  • 投稿日時

    シーザーは裸だ・陣

    ?

    ?

    ともあれ、結果は「ブルベ夏」。

    ソフトなパステル

    グレイッシュなトーンが似合うと仰る。

    イエベ春子は相変わらず

    奇人に対しての態度を崩さず

    しかしプロとしての矜持も何とか保ちつつ

    丁寧に解説してくれたが

    私は途中からほとんど聞いていなかった。

    嗚呼、イエス様。

    私は愚かな人間です。

    パンを施しても施して貰うことは致しません

    と先だって誓ったにも拘らず

    やはり私は距離を取られたら

    こっちも警戒してバックステップ

    で飛び道具に供えつつ

    危険を察知。ヒノノニトン。

    更にレバーを後ろに入れたまま

    必殺技の溜めまで作ってしまう有様。

    斯様に哀れな子羊でございます。

    やい、イエベ春子よ。

    フランケンシュタインの怪物が

    フランケンシュタイン博士の言葉を

    最初から理解して聞いていたと思うなかれ。

    そういうのを傲慢というのだよ。

    七つの大罪だよ。

    君はルシファーだ。

    天から堕ちて

    そこからまた改めて地上を見て見たまえ。

    ほら、あんなに地平線が綺麗だろう?

    これでもまだ君は

    地球が丸くないと言うのかい?

    などと、心の中でイエベ春子のことを

    地球平面論者に据えて

    強かにほくそ笑んでいたのである。

    ただひとつ

    「黒は強すぎるので避けましょうね」

    という言葉だけが

    やけに胸に残っていた。

    ?

    ?アカリ?

    ?

    X? ??https://x.com/akariakarinan

    公式LINE??https://lin.ee/C71yZMt

    ?? ??arabi_akari_otoiawase@outlook.jp

    ?

    ご予約詳細??https://lit.link/ARABIakaridada

    ?

    ※公式LINEが凍結してしまったので

    再登録お願いします??♀?

    ?

    ?


    ?

    続きを読む
  • 投稿日時

    シーザーは裸だ・皆

    なんてなことを

    頭の中に垂れ流すこと約40分弱。

    やっと診断が終わった。

    心なしかイエベ春子の私を見る目が

    少し余所余所しいというか

    汚らわしいというか

    なんだか

    ヒロポン中毒者を見るようではないか。

    まあ40分も意識混濁状態の人間を

    間近で見ていたならば

    こうなってしまうのもやんぬるかな。

    しかしね

    いやだってそりゃ仕方がないだろう。

    40分もお人形さんを続けていたのでは

    魂が毛唐の地に旅立ってしまう。

    それを押しとどめるために

    私は猛るプライドをかなぐり捨てて

    斯様な無知蒙昧たる

    空想遊びに耽っていたのである。

    これはクシャミの語源がクサメであることと

    似ているのじゃないかしら。

    クシャミをすると霊魂が

    一時的に抜け出てしまうと言われていた。

    その大事な我が霊魂に

    悪いものが寄ってくるのを防ぐために

    「クサメ、クサメ」と罵詈雑言を唱え

    これを追い払っていたという話である。

    だから、例えば街中で

    江戸っ子気質なおじさんが

    「ぶぇくしょい!てんやんでいこの野郎

    ファッキンジャップくらいわかるってんだ

    馬鹿野郎ワレこらナめとったら

    耳からムカデ突っ込んで白髪にしたんぞ

    ボケナスコーヒー豆が」

    などと喚き散らし

    周りの女子高生等から事案として

    警察にこれを訴えられたとしても

    おじさんはこれ、我と我が霊魂を守るために

    仕方なく言いたくもない

    罵詈雑言を唱えたのであり

    決して北野武映画に影響を受けたとか

    そういう類の病気ではないのである。

    全くいつの時代も

    世間は身を守るひとつにして語弊を招く。

    因果なものよなぁ。

    私は心持ち一歩引いた位置に

    立つようになってしまったイエベ春子に

    憐憫の眼差しを向けて

    この場の不条理を

    ナガサワ・フジキ問題に問われる

    大きな愛でもって包み込もうと努力した。

    なんだか

    糠に釘を打っているような気がした。

    ?アカリ?


    X? ??https://x.com/akariakarinan

    公式LINE??https://lin.ee/C71yZMt

    ?? ??arabi_akari_otoiawase@outlook.jp

    ?

    ご予約詳細??https://lit.link/ARABIakaridada


    続きを読む
  • 投稿日時

    シーザーは裸だ・者

    「本日はよろしくお願いします。

    まずは簡単にカウンセリングをしてから

    ドレープ診断に入りますね」

    彼女はにこやかに言い

    私は生返事で頷いた。

    ドレープ審査?なにかね

    クレープの次はそんなのが流行るのかね。

    全く世の中の移り変わりには

    付いていけないよ。

    私は家辺で

    ブルーベリークレープ頬張りながら

    眠りについてしまいたいと思った。

    まず行われたのは「肌・髪・瞳」のチェック。

    大きな鏡の前に座らされ、髪をまとめ

    顔全体に光がまんべんなく当たるように

    ライトが調整される。

    かろうじてスッピンではないと

    言い逃れの余地を残した程度の

    手前みそメイクは秒で剥がれ落ち

    コンシーラーで肌色を丁寧に整えられた。

    あまりにも受動的な事物に

    成り下がっているのもなんなので

    眼前の鏡に問うてみた。

    「鏡よ鏡。

    世界で最もモチモチして

    美しいのはだあれ?」

    「それは正にあなた様…それ以外!」

    私は鏡を叩き割った。

    「では、ドレープ診断に入りますね。

    最初はブルーベースの

    冬カラーから試します」

    変な妄想をしているうちに

    検査は着々と進む。

    私は指示待ち人間として

    道なき道を羊飼いに救いを求める

    羊のように歩いていた。

    嗚呼、イエス様、私は今後一切

    もうパンを与えたのだからパンを寄こせ

    などという愚かな経済論理性の中に

    身を窶すことは致しません。

    主よ、私を導いてください。

    私の両手が祈りによって

    塞がっているうちにも

    イエベ春子はグングン私の手を引いて

    微睡みの中を切り開いてゆく。

    青・濃紺・バーガンディ・グレー

    さまざまな布が、私の首元に掛けられ

    鏡の中の顔が映り変わる。

    もはや元の私の顔色が思い出せない。

    次にイエローベースの春カラー。

    コーラル、サーモンピンク、黄緑。

    「どんどん顔色が悪く見えますね」

    イエベ春子の思わぬ一刺しに

    私は色を失った顔色に青みを取り戻した。

    きっとあの時の私は

    ナガサワくんに嫌みを言われた時の

    フジキ君のような顔をしていただろう。

    となればあの顔のまま固定していれば

    私はブルベ冬を

    手に入れられたのではないか?

    だってそうでしょう。

    ナガサワくんは家が燃えた時の炎が

    ずっと顔にこびりついて

    きっとイエベ夏に違いない。

    とすればそのナガサワくんは

    何故にフジキくんに嫌みを言いながらも

    なんだかんだでツルんでいるのか?

    これはもしかしたら

    アメリカとインドのような関係性と

    同質かもしれない。

    ちょうど国が地球の真裏にあるもんだから

    貿易に都合が良いという理由である。

    つまり、しっかりとした利害関係でのみ

    関係性の円滑を保っているのであって

    ともすればこの友情は経済論理性の外に出た

    瞬間に瓦解してしまうやもしれない。

    もしそれでもナガサワくんとフジキくんが

    一緒にいられたなら

    それはそれは素敵なことです。

    人はそれを愛と呼びます。

    男と女、陰と陽、北斗と南斗

    フリードリヒ大王とポンパドゥール夫人。

    かくも対極にあるものは

    惹かれあうものなのだなぁ。

    ?

    ?アカリ?

    ?

    ※公式LINEが凍結されてしまいましたので

    お手数をおかけいたしまして

    恐縮ではございますが

    再登録をお願いいたします。

    ?


    続きを読む
  • 投稿日時

    シーザーは裸だ・闘

    ?

    ?

    くすみピンクのサインが浮かんでいて

    そこに細い明朝体で

    「COLOR ATELIER(カラー・アトリエ)」

    と書かれていた。

    アトリエとは大きく出たものだ。

    ゴッホやピカソのフォロワーでも

    たむろっているのかしら。

    ゴーギャンにお金を借りたら

    返さなくても怒らないだろうから

    いたら借銭を申し込むことにしよう。

    しかしそんな小洒落たガラス扉に映る私は

    ベージュのカーディガンに黒パンツ

    すっぴんに毛の生えた程度の

    ほぼノーメイク。

    これでは中の画家たちに

    絵具として塗分けられる前に

    廃棄処分ではないか。

    だがここで帰って

    不戦敗を喫するわけにもいかん。

    私はゴーギャンに借銭を申し込むのだ。

    掌にじっとりとした汗を滲ませながら

    私はサロンの扉を押し開いた。

    軽い木の手触りがした。

    ははん、女の股どころか

    こいつらさては木の股から

    生まれてきたとでも

    自己紹介しているようだ。

    こちとらシーザーだ。沖縄の守護獣だ。

    私は、緊張による混乱からか

    西洋人としまんちゅの

    キメラになりかけていた。

    カランカラン、真鍮のベルが鳴った。

    実に頼りないベルである。

    もうすぐ空を赤の脅威が

    橇に乗ってやってくるというのに

    こんな弱気なベルの音では

    ヤツのシャンシャンシャンに

    掻き消されてしまうぞ。

    私は常に臨戦態勢である。

    もう私は既に

    ルビコン川を渡ってしまったのだ。

    そして投げ出された

    賽の向こう側の景色といえば

    思ったより明るく

    白と薄グレーを基調とした空間に

    ドライフラワーが

    天井からぶら下がっていた。

    あの干からびた草花の残骸は

    きっとここの女性店員が

    岡惚れされた商社マンから

    勢いで貰ってしまった花束を

    捨てるのも忍びなく放置していたら

    ああなってしまったのだろう。

    私はその商社マンが後ろから

    入ってこないか心配になった。

    果たして彼が今再びこの場に現れ

    あの花束の成れの果てを目にしたらば

    彼女は何と言い訳するだろうか?

    「ドライフラワーにしてみたの?」なんて

    可愛く言えば切り抜けられるだろうか。

    そんなまだ見ぬ修羅場を

    勝手に想像して阿呆のように

    天井を眺めていると

    件の商社マンのマドンナが現れた。

    20代後半くらいの女性で

    まるで春風をまとって歩いているような

    軽快なステップ。

    ペールブルーのブラウスに

    アイボリーのワイドパンツ。

    やわらかいベージュのバレエシューズ。

    こいつぁイエベ春に違いない。

    かの商社マンも彼女を目にして

    「我が世の春が来た!」と喜んだことだろう。

    しかしながらそんな

    イエベ春の権化を眼前に据えていると

    途端に自分の服が

    納品する店を間違えて

    目立たない陳列棚に据え置きされてしまった

    哀れな在庫処分品

    みたく思えてきてやるせない。

    頭の中を「MADE IN THAILAND」

    という文字列が白々しく通り過ぎていった。

    私はよっぽど「JAPAN!」と叫びたかったが

    発作と間違われ

    救急車を呼ばれては面倒なので我慢した。

    こういう時に我慢ができるから

    私はこの世界で

    大人としてやっていけるのである。

    流石はシーザーである。

    ?

    ?アカリ?

    ?

    ※公式LINEが凍結されてしまいましたので

    お手数をおかけいたしまして

    恐縮ではございますが

    再登録をお願いいたします。

    ?


    ?

    続きを読む
  • 投稿日時

    シーザーは裸だ・兵

    ?

    駅前のコインロッカーに

    黒いジャケットを預け

    ベージュのトートを肩にかけたまま

    私は予約した

    パーソナルカラー診断の店が入っている

    お洒落ビルの前に立ち尽くしていた。

    「この俺、この私こそが最先端だ」

    と言わんばかりの表参道の

    自我の塊のような我利我利地獄を抜けて

    私の心は既に疲労困憊していた。

    一体なんだってわざわざこんなに

    個性が競争しているところに

    好き好んで足を

    ノコノコ運ばねばならんのか。

    私は家辺で

    ブルーベリーを味わっていたかった。

    しかし今の我が家の空気が

    それを許さないのだから仕方がない。

    進もう。

    翼をもがれ、鎧をも剥ぎ取られた

    足の不自由な世紀末の偉い人も言っていた。

    「帝王に逃走はないのだ」と。

    私だってよくは聞いていないが

    生まれた時の体重が重過ぎて

    男と間違えられて

    赤子にして男部屋に

    ぶち込まれそうになった過去がある。

    ならば帝王切開にて取り出された可能性も

    当然高いのだ。

    つまり私はシーザー。

    マクベスだって倒せるぜ。

    私は女の股なんて

    頼りがいのないところから

    生まれてないのだ。

    大いなる、というか大きなる私は

    エイリアンの如く霊長類の腹を食い破って

    この世に爆誕したのだ。

    いや、詳しいことはわからないが

    わからないからこそ

    もういっそ帝王切開でいこう。

    ガイウス・ユリウス・カエサルの気持ちで。

    そう、なんてったって

    人生において大事なのは気持ち。

    人生は素敵な勘違い。

    しかしユリウス氏族の

    カエサル家のガイウス君

    というのが本当なのに

    みんなにカエサル、カエサル

    とばかり言われるのはいかがなものだろう。

    私でいうならば凱旋の折に

    「アラビ万歳!アラビ万歳!」

    と言われてるようなものである。

    そこはせめてアカリ万歳と言って欲しい。

    当のカエサルはどうだったのであろうか。

    まあ家名の誉れと思えば

    悪い気持ちではないだろうが。

    私とて、アラビアンナイトの名が上がれば

    嬉しいものであるしなぁ。

    そもガイウス君なんて言われても

    グラックス兄弟の弟とかと間違われそうだし

    まあそんなことをいったら

    カエサルのお父ちゃんも

    ガイウス・ユリウス・カエサル。

    お爺ちゃんも

    ガイウス・ユリウス・カエサル。

    一体どう呼び分けていたんだろう。

    大カエサル、中カエサル、小カエサル

    とかであろうか。

    でもじゃあ、更に曾祖父や息子まで

    ガイウス・ユリウス・カエサルだったら?

    スーパーカエサルとか言って

    セルを完全体にして大恥をかいたり

    かたやカエサルジュニアとか言って

    大みそかにRIZINファイターを

    ぶっ飛ばしたりして

    小銭を稼いだりするのだろうか。

    そしてエキシの亡者と成り果て

    ついにマイク・タイソンと

    激突してしまうのだろうか。

    やだなぁ。

    タイソンが負けるのを見るのも

    メイウェザーが塩試合するのを見るのも

    どちらも嫌だなぁ。

    と、うっかりメイウェザーなど関係のない

    ボクサーの名を口にしてしまったが

    まあ遡って

    そんなことはどうでもよいのだ。

    命名という概念は何処にいったのだ全く。

    という話だ。

    更に遡って我に返れば

    私は今からこのお洒落ビルに

    シーザーの心持ちで乗り込もう

    という算段であったのだ。

    我は皇帝なり。

    いや、皇帝になりたかったなり。

    終身独裁官でありたかったなり。

    ブルータス

    お前だけはゲヘナの底で、永遠にサタンに

    咥えられているのがお似合いだ。

    くわつはつはつはつ。

    などと、活字でしか伝わらないような

    豪快な笑い声を頭の中に響かせながら

    私はガラス張りの

    お洒落ビルの三階へ昇った。

    くわつはつはつはつ。

    ?

    ?アカリ?

    ?

    ?

    ※公式LINEが凍結されてしまいましたので

    お手数をおかけいたしまして

    恐縮ではございますが

    再登録をお願いいたします。

    ?


    ?

    続きを読む
  • 投稿日時

    シーザーは裸だ・臨

    ――真理はいつも

    たったひとりの錯乱の中で生まれる。

    ?

    己が何色であるか

    皆さんは知っているだろうか。

    私は何色にも染まりたくないと

    青臭いことを思っていた。

    太陽に照らされ地に影を落とすだけの

    無色透明な無自覚・無宗教・無派閥

    な人間でありたかった。

    しかし駄目だった。

    昨今は人間を人種以外にも色分けし

    大和人同士でもこれを区分けし

    相争わせようとする

    美容業界の奸計がある。

    全くBLMやLGBTQのいざこざから

    一体何を学んだというのか。

    私は孤独に戦うため自宅に竹槍を拵えて

    日の丸鉢巻を頭に結び

    胡坐をかいて業界が決壊する時に備えた。

    しかし駄目であった。

    お店の控室ではもっぱら

    ブルベ夏冬、イエベ春秋

    モチベ軽薄、ゴチベ名古屋場所

    などという言葉が乱れ飛び

    ついに私もこれに抗しきれず

    パーソナルカラー診断を受ける事となった。

    私の竹槍は米国から飛来する

    銀の悪魔の空襲を待たずして

    土間に収納されることとなった。

    今度こそは膂力全霊込めた投擲にて

    かの悪魔を米土の土に返してやろうと

    自信満々だったが

    こんなイエベ秋な竹槍ではやはり無理だ。

    秋というだけでなんだか切ないのに

    イエベというのはなんたることか。

    イエローモンキーの

    謗りを受けた日の丸鉢巻は

    哀しみの余り張り裂けた。

    鉢巻にしてみても

    「考えてみればきっと自分は

    ブルベ冬であろう」

    という事実がショック

    だったのかもしれない。

    冬というだけで

    もはや我が国のイメージ的に

    田中邦衛以外は敗北的である。

    にも拘らず、更に以てメリケンより

    齎されたブルーベリーを主食とするなど

    そりゃ、レゾンデートルを

    ゲシュタルト崩壊させてしまうのも

    無理からぬこと。

    かくして日の丸鉢巻もまた

    竹槍と共に我が家で

    不貞腐れる羽目となった。

    かくして我が家は今

    常に年末調整中の

    湯鬱さに支配されてしまっている。

    なんと面倒くさいことか。

    嗚呼、家に帰りたくない。

    こうなったら私が

    パーソナルカラー診断を受けて

    「モチベ灼熱」なる

    天に差す日輪の如き診断を持ち帰り

    我が家に光を取り戻すしかあるまい。

    ?

    ?アカリ?

    ?

    ※公式LINEが凍結されてしまいましたので

    お手数をおかけいたしまして

    恐縮ではございますが

    再登録をお願いいたします。




    続きを読む
  • 投稿日時

    湯煙の国

    ?

    ――人は湯に沈みながら

    己の出涸らし具合を測るのである。

    ?

    HSP、というものがあるらしい。

    どうせヘンタイソープパラダイスの

    略式であろうなどと高を括っていたら

    さにあらず。

    その名はヒートショックプロテイン。

    まこと人間の身体というものは

    どこまでも神秘の衣を纏っているもので

    曰く

    四十度から四十二度のお湯に身を沈めると

    このHSPとやらがふつふつと湧き立ち

    お肌が瑞々しくもちもちと潤うのだという。

    肌が春先の桜餅のごとく

    うっすらと光を孕み、柔らかく蘇る。

    なんともうらやましい話である。

    ところでHSPという文字列

    私は少しばかり

    個人的な思い出を引きずっている。

    ひとつは、昔むかし

    繊細な人々を指す言葉として

    聞いたことがある

    HighlySensitivePerson

    (ハイリー・センシティブ・パーソン)。

    世界の機微をいちいち拾ってしまう

    厄介な感受性。

    故に疲れやすいが

    物事を深く考える

    知覚能力に長けるなど

    哲学者向きなのかしら。

    もうひとつは

    HSPと刻まれた古いマイクである。

    学生時代、部室の部屋の床に転がっていた。

    あの黒いボディに埃をかぶった哀愁。

    まるで今宵の話とは何の関係もないのだが

    ふと記憶の隅が囁いたので

    つい横道に逸れてしまった。

    さて、話を風呂へ戻そう。

    HSP的には、週に二度か三度

    湯船に浸かるのがよろしいらしい。

    科学というものはかくも律儀である。

    そこでふと思い出すのが

    アカリさんのことである。

    彼女は週に四回以上

    アラビアンナイトに姿を現す。

    湯煙のなかに悠然と佇むその姿は

    温泉まんじゅうよりも

    御土産感が強いと評判である。

    とすると、アカリさんなど

    HSP的にはとっくに湯に煮えられた

    出涸らしなのではあるまいか

    と誰もが一瞬は思うだろう。

    だが、ここでひとつ訂正をしておきたい。

    アカリさんは豚足をこよなく愛している。

    あの、ぷるぷると震える半透明の膠質が

    夜な夜な彼女の体内で静かに

    コラーゲンへと変じ

    明け方には再び

    「もちもちのアカリさん」

    として世界に立ち上がる。

    人間というのは案外したたかである。

    それにしても、皆さんもよくご存じのとおり

    家のお風呂というのは

    扱いがなかなかに面倒である。

    湯垢、湿気、排水口…

    そこにはまるで小さな帝国が存在し

    治安維持には細心の注意を要する。

    だからこそ私は申し上げたいのだ。

    アラビアンナイトにおいでなさい、と。

    ちょうどよき塩梅の湯温と

    まろやかなる蒸気があなたを迎える。

    壁は静かに光を反射し

    湯面はゆらゆらと月影を宿す。

    心まで、もっちりと

    やわらかくなること請け合いである。

    どうぞ、いつでも

    もちもちしにいらしてください。

    資本主義の湯船は

    案外、悪くないものでござんすよ。

    と、たまにはお店の宣伝も

    と思い立った結果

    なんだか色々と間違えている気がします。

    そんなにお風呂を推してどないすんねん。

    という人もあるでしょう。

    まあそこはそれ

    恋するお風呂屋さんと銘打っておかねば

    お上に申し訳が立たないのでね。

    銭湯気分でごゆるりとお越しください。

    随分と値の張る銭湯ですがね。

    オフロードなお風呂屋さんなもんでね。

    ゴープロつけてるばりに

    トークロのテクでジョークを交えつつも

    遠くの桃源郷へ誘いましょうぞ。

    アラビアンナイトにまたいらっしゃいよ。

    よし韻が踏めたぞ!スタコラ!

    ?

    ?アカリ?

    ?

    ?

    ※公式LINEが凍結されてしまいましたので

    お手数をおかけいたしまして

    恐縮ではございますが

    再登録をお願いいたします。



    ?

    続きを読む
1 2

トップ