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アカリ(21)
T164 B88(E) W56 H87

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お題:異世界転生・歴史探訪
嘘つき同士の友情・最期の晩餐
希望と空虚・臆病者・快楽に溺れる
据え膳食わぬは男の恥
正解と正しいは違う・推し活沼
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気が付くと、私は木骨と土壁でできた
梁むき出しの粗末な家の
これまた更に粗末なベッドで
仰向けに寝かされていた。
「気がついたかい。
まあしばらく股に布押し当てときゃ済むよ。
これであんたも女だね」
中年の女が古布を
何枚か枕元に置いてそう告げた。
あれがおそらく私の母親だろう。
そしてこれは初潮というやつか。
つまり私は、なんということでしょう。
女になっていた。
性別まで変えるなんて、いくら神でも
適当が過ぎるんじゃないかしら。
しかしこれは、私の昔からのある疑問を
確認できるチャンスでもある。
それは何か?
性的な興奮の問題である。
言うな。私は決して変態ではない。
だが、全男性紳士諸君を
代表して敢えて言おう。
男と女が入れ替わる物語は
古今東西に数多ある。
しかして、それに劣情を覚えた
という描写は稀有だ。
私はずっと思っていた。
「そんなわけあるかい」と。
こんなうら若き乙女の体が目の前に
否、自分自身であるのに
これを楽しまない
インポテンツがあるものか。
ということで私は
己の全身をまさぐってみた。
断っておくが
決して厭らしい気持ちからではない。
これは性科学向上のための貴重な触診であり
私は人類の偉大なる飛躍の礎となるため
甘んじてこの変態の謗りを
免れないような行為に
殉職の如き精神で以て
この身を捧げているのだ。
それでも私を非難する者があるならば
よし私も男だ。
その挑戦、受けて立とうじゃあないか。
私は逃げも隠れもしない。
そして今の私は女だ。
もし少しでも乱暴に触れた男があったなら
即豚箱行きだ。
さあ、大声を出されても良いなら
どこからでもかかってくるがいい。
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ところが、己の身体と認識するや否や
私の精神はもはやこれに
何の劣情も起こそうとしない。
股間もすっかり大人しい。
あいや、そういえば
今の私は竿なしなのだった。
それにしてもズキズキする。
何だか何もかもどうでもよくなってきた。
正直に言うと、私はこの夢のような展開に
期待と股間を膨らませていた。
あいや、股間はズキズキするだけだけど。
それでも見果てぬ情欲に
胸がときめいていたのだ。
ところが、なんですかこれは。
ただの私じゃないですか。
私が私に興奮するわけがないでしょう。
嗚呼、もう嫌だ。夢が壊れました。
今考えてみれば
なんて汚らわしい発想なのかしら。
己がことながら軽蔑しちゃうわ。
そんなね、己にむしゃぶりつくくらいなら
豚肉でも買った方が
よっぽど上等でしょうよ。
何故そんなこともわからないのかしら。
大戯けめ。恥を知りなさい。
っていうかね。
ぶっちゃけ私、多分これ
ジャンヌ・ダルクなわけじゃないですか。
そんでまぁ、この、女の身体の大変さ?
凄いじゃないですか。
こんなしんどい身体引き摺ってね。
地元の軍事拠点まで行ってね。
そこの守備隊長、説得してね。
そこから幾つもの
イングランド領、掻い潜ってね。
地獄のような道のり経てね。
シャルル七世に会ってね。
オルレアンで頑張ってね。解放してね。
シャルル助けてやってね。
それから数多の戦場で
突撃バーサーカー繰り返してね。
そんで最終的にシャルルに裏切られてね。
見殺し火炙りとかね。誰がやるかってね。
そういうことをね。私は言いたいのね。
わかりますよね。ね。ね。
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ドンレミ村の朝は早い。
六時には羊や牛の世話。
家事全般に教会通い。
気が付いたら一日が終わっている。
田舎は地味でも都会より忙しい。
殊にここ中世フランスとなると
忙しいどころじゃない。
事ある毎に
ブルゴーニュ派の敵兵が攻めてくるし。
その度に山間や谷間にスタコラ避難。
戻ってみたら略奪に放火。
逃げ遅れたが最期。
犯され殺され放火され
無事でいるのは教会くらい。
なんだか祈るのも馬鹿らしくなってくる。
私がここ、ドンレミ村に来てから
かれこれ2年が経とうとしている。
そう、私は
ドンレミ村から一歩も出なかった。
「ジャンヌ、もう声は聞こえないのかい?」
「はぁ?なんのことでしょうか?」
「いや、あなた。王太子に会いに行くって」
「冗談言わないでくださいよ。
あなたがT-34をおひとつくれる
というなら考えますけど」
「T-34?」
「21世紀の秘密道具です」
「でもフランスを救わなきゃって…」
「まあ、なんて不遜な。
そんな預言者気取りなこと言っちゃ
イエス様から鞭が飛びますよ」
しつこく絡んでくる
井戸端おばさんを冷たくあしらうと
農夫がニヨニヨしながら近づいてきた。
「なあジャンヌ。今晩あたり…」
私は微笑みながら、男の唇に
人差し指を当ててなぞるように撫でた。
私は、あれから
村一番のヤリマンになっていた。
何故か。
ある日、村の男に誘われて
試しに交わってみたら、これが極楽浄土。
男の時には想像もできないほどの快楽。
小指の耳の穴に入れて穿った小指が男
耳の穴が女の感じる快楽だと
聞いた事があったが、そんなもんじゃない。
こればっかりは
両方経験してる私にしかわかるまい。
そしてこの時代には
逞しい農夫がいくらでもいた。
男の時分は
女に柔らかい肌ばかりを求めたものだ。
だが、女になると話が変る。
男の魅力は、鍛え上げた筋肉の硬さである。
その厚い胸板を枕に眠る恍惚は
巨乳枕に勝るとも劣らない。
据え膳食わぬは男の恥…いや女の名折れ。
私の名前は、もはやドンレミ村に止まらず
ロレーヌ地方の名物となり
フランス人はおろか
イングランド兵までもが、私を求めて
遠くから押しかけてくるほどだった。
一体、もう何人の筆卸をしただろうか。
「筆山の、筆を取っても、筆卸」
我ながらキツい一句ができてしまった。
そんな淫蕩に日夜明け暮れ
快楽に忙殺されているうちに
フランスは滅びた。
私はイングランド兵と
ベッドを共にしながら
豪奢なベッドの上で
雅な天蓋を見つめながら
微睡に堕ちていった。
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?アカリ?
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