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アカリ(21)
T164 B88(E) W56 H87

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(お題:異世界転生・歴史探訪
嘘つき同士の友情・最期の晩餐
希望と空虚・臆病者・快楽に溺れる
据え膳食わぬは男の恥
正解と正しいは違う・推し活沼)
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「あなた、本当に神の声を聞いたの?」
青龍偃月刀の錆となったはずの私の前に
地味な恰好の
バタくさい顔をした女が立っていた。
外国人。それも一人ではない。
私は西洋っぽい異国で
大勢の老若男女に取り囲まれていた。
全員、随分とボロい恰好をしている。
男は農作業用のシャツとズボンに革靴。
女は長いワンピースかエプロンに頭巾。
みんな似たり寄ったりで田舎臭い感じだ。
そしてなんと、私も周りの女達と同じような
長めのワンピースを身に纏っていた。
馬鹿な。
私に絵守のような趣味はないぞ。
といって絵守にそんな趣味が
あるかどうかは実際知らない。
知らないが、あの男のことだ。
絵のモデルが見つからずに
自分で女物の衣服を着て
鏡の前で色々着替えているうちに
「あら意外と似合うじゃない」
みたいな感じでそっちの道に目覚め
私と会っていた時分にも
ひょっとしたら下に
女性用のランジェリーを身に纏って
得々としていたのかもしれない。
なんて悍ましい男だ。
よし、元の世界に戻ったらきっと
生放送のテレビ前で奴の衣服を剥ぎ取り
その歪んだ性癖を白日の下に晒してやろう。
待ってろ絵守。
お前の出世も私が今生に戻るまでだ。
それまで束の間の栄華を
謳歌しているがいいさ。
くわつはつはつはつ。
なんて文学的な笑い声を
地の文であげている私は
まだ文学に未練があるのだろうか。
なんだか悲しくなってきた。
そもそも夢の中とはいえ
何でこう何度も死ななきゃならんのか。
馬鹿は死んでも治ってないし。
てことは何かい。
私の文学はまだ枯れてないってことかい。
じゃあ私は私の文学に
決着を着けに戻らなきゃならない。
そう、まだ私の人生は
ちゃんと終わっていない。
張り詰めていた思いが溢れ
涙が自然と頬を伝った。
「私は行かなければならない」
口からも、想いが溢れていた。
「またご神託か」
「正気で言ってるのか?
王太子の元へ行くとか
フランスを救うとか」
「でもお前まだ今年で十三だろう」
男達が嘲笑交じりに冷やかすのを遮って
井戸端会議のリーダー格っぽい
オバハン二人が私の弁護を買って出た。
「年なんか関係ないさ。
この子はね、村はずれの妖精の木に
毎日一人で祈ってるんだよ」
「そうさ。この娘ほど信仰心が厚けりゃ
神様もほっとかないだろうよ。
なあジャンヌ、今日も声を聞いたのかい?」
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なんだ?一体この人達は
何を言っているんだ?声?嗚呼、声ね。
そりゃ毎日聞こえているよ。
あの塹壕戦の時もそうだった。
ん?塹壕戦?なにそれ?
なんかふっとリアルな光景が…
そういえば、元の世界で
希死念慮を誤魔化すために
Netflixでプライベート・ライアンを
つけっぱにしてた時があったっけ。
嗚呼そうか。
あの時も絵守の声が聞こえていた気がする。
これは大賞を狙えそうですぞ!
とかなんとか。嬉しそうにニヤついた顔で。
「声なら聞こえます。かつての友の声。
今の彼はサタンの手先です」
「かつての友?イングランドのことかい?
奴らが友なわけあるかね」
「でも元は同じ国みたいなもんだったろ」
何故か私の独白に共鳴して
井戸端会議が続いていく。
奇跡だ。私は奇跡を起こしている。
さながらオルレアンの乙女だ。
というか私はさっきジャンヌって
呼ばれてなかったか?
それになんだか体が怠い。
凄まじく怠い。
股から何か魂が抜けていく
ような感じがする。
意識が遠くなる。
そして私はそのまま路ばたに突っ伏した。
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?アカリ?
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