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アラビアンナイト 川崎 / ソープ

8:30~翌0:00

当日予約8:00~

神奈川県川崎市川崎区堀之内町13-8

JR川崎駅/京急川崎駅 ※送迎車ご用意致しております。

入浴料 11022,000円~

利用可能カード:VISA、MASTER

044-233-4152

※お電話の際に「ビンビンで見た」とお伝えください

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アカリ

アカリ(22)

アカリ(22)

T164 B90(E) W58 H89

本日出勤 11:00〜翌00:00

タイタンの怒り


吾輩の愛車はママチャリである。

名前はまだない。

と、周りの知人には誤魔化しているものの、

実は陰ながら命名済みなのである。

恐れ多くもかの大英雄、

アレキサンドロス大王の愛馬の名を

勝手に拝借しているのだ。

これは知己に紹介するにも、

ともすれば身の程知らずの汚名を被せられ、

更にもしその相手が

無類のアレキサンダー信者であったならば、

最悪、絶縁も免れぬであろう。

斯様な憶測からの

リスクマネジメントとして、

この真名は我が心中に留め、

周囲には秘密にしている。

しかしここにおいて

浮世の煩わしき人々への

小心な心遣いなど無用の長物。

ここは思い切ってこの場に甘え、

威風堂々とその名を

ひけらかすが正解であろう。

吾輩の愛車はママチャリである。

名を「ブケファラス」という。

そして今、ブケファラスは

世俗の泥に塗れて汚れてしまっている。

私がコーヒーをぶちまけたのだ。

移動中にいつも片手に持っている

スタバのベンティを、

より安全に運搬すべく、

ブケファラスに

コーヒーホルダーを据え付けた。

それで充分に事足りたと思っていた。

間違っていた。

カップには容器内の気圧を一定に保つための

空気穴が無数に空いているのだ。

そこからスパルタクスの反乱に

便乗する奴隷たちが我先に脱出せんと

乱暴に格子を突き破るが如く、

無数の細かい飛沫が上がる。

それは段々糸のように長く、

波のようにうねり、

ついにはカップ本体と蓋の

調和を保つ張力を破壊し、

接合部をこじ開けて、

反乱軍の本体が一気にカップから

そのまま外へ溢れ出す。

爆ぜるように空へ飛び出した剣闘士たちは、

コンクリートの土を

背景に滲む景色の焦点に

茶褐色を添えて全体をセピア色に彩る。

そして色彩が元の気配を取り戻したとき、

景色はまた滲む。

今度は焦点云々の話ではない。

我が眼に累々と滲む

無常観によって全体が滲んでいるのだ。

刹那に散ったセピアは悉く

ブケファラスに襲い掛かった。

ブケファラスの鮮やかな薄緑の身体は、

面を脂に任せて役目を終えんとする紅葉の、

後を枯葉に託す厭世的な色に汚された。

明日に繋ぐ望みすら抱かせぬ

暗い朝焼けのようでもある。

私の心持ちは

その吉凶明らかな暗い光線に焼かれて、

漕ぎだす活力を失って

その場にただ茫然と佇んでいた。

私が常日頃よりモバイルオーダーから

店員の笑顔に微笑み、

カップを彩る朝の挨拶に心を温められ、

さりとて、その後を共に駆ける

ブケファラスへの返礼がこれとは、

なんという理不尽であろう。

今の私には、朝を満足させる苦みに

身を沈める資格などあるまい。

これではまるで、

私こそがスパルタクスではないか。

いつの間にブケファラスが

王政の頂点にあって

私を奴隷徴用していたのかは

定かではないが、

ともかくも私はブケファラスに

反目を翻す意志なきを示し、

我が寵臣との信頼回復に努め、

改めて王政復古の大号令を発さねばならぬ。

かくして私は、タンブラーを購入した。

手持ちの大袈裟な

水筒などを用いる手もあったが、

斯様な俗物をブケファラスに

間に合わせで献上して、

我が愛馬の機嫌を損じるは

元の木阿弥である。

実用的で、簡素な作りの逸品。

これは私にとっても

初めてのタンブラーであった。

これを用いること即ち、

モバイルオーダーの習慣から

外れることとなる。

いつもの朝を目覚ます店員の笑顔、

親切心で描かれた落書きが胸中を過り、

少し切ない。

しかし、我が朋友を守ることこそが、

彼らの親切心に報いる事だ。

あの笑顔や落書きは、私の幸せのために

演出されていたものなのだ。

そうでなければただのイジメだ。

朝っぱらから接客で嘲笑され、

商品に落書きされることに、

人の営みの幸せなどあるはずもない。

過ぎたる詮索は無粋である。

そうでなくとも、

人生は素敵な勘違いで

充分に合格なのである。

一通りの屁理屈を経て、

充実した気持ちを手に入れた私は

「我が竹馬の友ブケファラスを、

これより未来永劫、

浮世の汚泥から守り切ってみせる!」

そう得意になっていた。

これにて店員の気持ちも、

想いを込めた落書きも、

大神の意に沿って

穏やかに高天原へと召されるであろう。

しかし、私は大地の怒りを侮っていた。

卑しくも人の身にあって、

地に足もつけず天下を

往来しようとする人の傲慢を、

タイタンは許さなかった。

如何な趣向を凝らそうとも、

ママチャリの揺れは尋常に

収まることを知らない。

往けば必ず零れる。

タンブラーだろうと鉄鋼戦車だろうと、

往く者は等しく

その対価を払わねばならぬのだ。

カップより、少しくマシになって、

ポタホタと、

それは私の眼に顕れる悔恨の代わりに、

滴り続ける。

汚れる相棒。志半ばに果てた想い。

このまま、渋色の濃い枯葉となって、

梢を離れ、風に吹かれて

自由に飛び廻れたらいいのに。

様々に寂莫たる想いを

お掃除シートに託しながら、

私は今日もブケファラスを

ピカピカに磨き上げる。

?アカリ?




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