クマのプーさんに登場する

心優しい少年、クリストファーロビン

作者のミルンは人気の劇作家だった

当時、第一次世界大戦をへて

人里離れた片田舎に居を構えて

反戦作を書きたいと考えていた彼は

家政婦や乳母を伴い、

100エーカーの森となる

都心から離れた場所に移り住む

クマのプーさんに登場するキャラクターは

ミルンの妻やクリストファーが

一緒に考えだしたものだ

ハロッズのクマのぬいぐるみ

数多くのぬいぐるみに囲まれて、

クリストファーロビンが空想にふけって

遊んでいる姿から着想を得た

だが、ミルンの栄光とは裏腹に

5歳の少年クリストファーロビンは

成長と共に世間から注目されて

寄宿学校では執拗な嫌がらせを受けた

どこへ行っても父ミルンの

「クリストファーロビン」であり

第二次世界大戦後の貧困は

クリストファーロビンに冷たかった

世間や父ミルンの期待にも答えられず、

作家になれず、批判にまみれ、

クマのプーさんの利益を受け取らず

苦しんだクリストファーロビン

辛酸を舐めるように過ごした

クリストファーロビンは、

一人娘の重度の障害を持つクレアの

為に利益を受け取るようになったが

クレアが亡くなると財団へ寄付した

父ミルンもまた、自らの家族や

クリストファーロビンが記者に狙われて

世間の見せ物となった事で

クマのプーさんのシリーズを

早々に終わらせた

仲の良い父子だったが

クリストファーロビンは生涯にわたり

「父のクリストファーロビン」の幻影に

悩まされ、苦しんだ

それでも尚、世界中で今も人気で

愛されるクマのプーさん

その無辜の愛は優しい世界を描き、

成長と共に忘れてゆく

平和でゆかいな時間を与えてくれる

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