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高樹(35)
T164 B80(B) W56 H84

水木しげるも愛したゲーテ
国の差配をつとめ、自然や恋に触れて
その眼差しは人間の内側と外側を
常に見つめていた
その観察眼、優美でありながら
確かな時代を切り取り表現する肉薄さ
ドイツの古典主義を築き上げた文豪であり
法律、自然科学、博学者で
政治家であり詩人である
人間から派生する
生々しい有様を筆でしたためて
西欧にその名を席巻し轟かせたが
「色々研究してみたところで結局
実際に応用したものしか
頭に残らないからな」
という実に現実的な言葉を
残している
確かに学生時代において
受験し合格を目指すが為に
頭に詰め込み、突破したところで
その詰め込んだ学びは
社会人に進むうち
大半は霞のように失せてしまい
そこから先の社会で得た
「知識」以外は
存外頭に残らないものである
学びゆくもの全てを
生かしきれる方が難しい
(私だけかもしれない)
そんな触れれば切れる
冷徹な観察眼をもつドイツの獅子は
現代の科学懐疑論すらも
言及しており
「人間」というものを見透かした
観察眼には恐れ入る
この科学懐疑論の思想としてゲーテは
感覚の限界を超えた制御できない力にまで
発展する科学技術の
進歩の速さに対して不安を述べている
いずれ人間は科学を求めて
AIに向かうに至るまで想定してたら
肝が潰れるほどに驚くが…
若きウェルテルがAIに悩みを
相談する姿を想像するに
やはり解決の芽は薄いように感じる
…私だけだろうか
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