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ちなつ(21)
T145 B86(D) W54 H78
今日は部活がきつくて、帰った瞬間、制服のままベッドにバタン。
髪もボサボサだし、靴下すら脱いでなかった。
でも、それくらいクタクタだったの。
……目が覚めたとき、部屋の空気が少し違ってた。
ぼんやり目を開けたら、ベッドの横に誰かが座っていて、心臓が跳ねた。
「起きた?」
声の主は、幼馴染だった。
昔はよくうちに来てたし、合鍵もあったから不思議じゃないはずなのに、
そのときの彼の目は、なんだか見慣れない光を宿してた。
「制服のまま寝るなんて、無防備すぎだろ」
そう言いながら、私の前髪をそっとかきあげて、
制服の襟元に指を滑らせてくる。
ドキッとした。
でも、止めることができなかった。
気づかないふりをして、私は目を閉じた。
指先が胸元に触れたとき、
スカート越しに感じるぬくもりが、じわりと伝わって――
「…起きてるくせに、黙ってるの?」
くすっと笑う声が、やけに耳に残った。
気づかないふりなんて、もう通用しなかった。
いつからだろう。
彼を「幼馴染」として見られなくなったのは。
あの夜、制服のまま、私は彼の手に委ねてしまった。
本当は怖かった。けど、それ以上に嬉しかった。
心も体も、境界線をひとつ越えてしまったみたいな夜だった。
…ねぇ、これって恋なのかな。
それとも、もっと違う気持ち?
次はちゃんと起きて、彼の目を見て、答えを聞いてみたい。
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