教会に掲げられた

キリストの磔を眺めながら

清貧であれとイメージ想起されて

訳もわからないまま

手を引かれて歩く幼少期

欲しがりねだる事は悪という教えが

後ろ髪を引いて、自分とは何かが

曖昧に薄れてゆく

何をもって「いい子」なのか

(大人にとって都合の)いい子ではないのか

何が欲しい、何がしたい、

主体性を持つと言う事は

自分の欲しいもの、したい事を

自分自身が把握して成り立つのに
 

清貧であるがゆえに力も無く

蓄財を持たず無気力に従うばかり

清貧とは資本主義における悪と知る

正しさ、正義とは

コインの裏と表のような物だった

「勝てば官軍負ければ賊軍」

社会主義だろうと資本主義だろうと

独裁国だろうと…人の作る国で

経済の力を持たない者に

人権が無いのは共通していて

清貧のイメージは余りにも美しく

諦めることに甘美な安らぎをくれる

神の教えや道徳に従い

「清貧」おを唱えて承認欲求を満たし

清く正しいと安心する

生活が楽になる訳でもないのに

いにしえに生み出された

貧民救済という名のイメージ戦略に

我々は今も罪悪感や葛藤を抱かされて

勝手に苦しんでいる

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