なんの因果律か わたくしは多くの同胞と共に 採取されパッケージされ店先に並び 気づけば人の手にとられて やわらかな土の中で 暗く静かな眠りについたのです やがて閨に忍び込み 薄い被膜を突き破り、甘い蜜を吸いに 虫どもが次々に訪れました 生えたばかりの真白な瑞々しい指先は 救いを求めてふかふかな褥を掴むばかり そんな中でも身体は脈動し 髪や背丈は日々伸びて 気づけば地上へ芽吹いておりました 目を焼き尽くす朝と かつての安らいだ閨とは 変わるべくも無い 灯が絶えない悪夢のような夜を 何度重ねたことでしょう 大空にとぐろして咆哮する龍の雷鳴 全身を穿つように荒々しい雨 虫どもは成長しゆく身体を なめまわすように這い、食いつき 若いばかりの身はなすすべも無く されるがままでした 飢え、欠損し、絶命してゆく 同胞達をいくつ見たことでしょうか やがて、わたくし達とは別の生命力溢れた 蛮族が視界を覆い隠すほどに隆盛して 幅を利かせ、たちの悪い絡み方を するようになりました 絡め取られて闇に沈みゆく わたくしの友人達… 助けたくともがんじがらめで 身動きすらとれなかったと言ったら、 貴方は言い訳だと仰るでしょうか 無常な時間だけが過ぎて、やがて わたくしどもは実らせたのです 禍々しいほどに大輪の 見る人を魅了する毒々しい惡の華を… 是非お手にとりご賞味下さいな 貴方が味わったことのない果肉は やがて心身を痺れさせ、最後の時まで 酩酊と快楽に導いてゆくはずです 木曜日出勤します 10:00〜16:00 ご用命をお待ちしています iPhoneから送信