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コール音が鳴る
私を選んでくれた人がいたようだ
出迎える時の衣装を聞いて準備をする
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髪を整えて、シーツのシワを伸ばして
これから始まるであろうことを想像する
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頭をよぎるのはいつも同じ
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「幻滅しないだろうか」
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シーツの上、一糸纏わぬ姿で乱れる中
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「かわいい」
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薄暗闇の部屋の中で
二人だけにしか聴こえない声で
囁くように言ってくれるのが好き
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ふつうの人からしたら
不特定多数の人にそう言われてもあまり思わないかもしれない
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むしろ「え、そんな目で見ないで」と思うのかもしれない
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けど私は。
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経験がなく、体型を維持してはいても
オシャレな下着を買ったとしても
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「仕事仕事で忙しいし、見る人なんて誰もいないし…」
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──それでも、やっぱり知ってみたい
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「肌を重ねる」それはどんなことなのか。
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「処女なのに、なんでこんなところで働いてるの」
「サービスが出来ないから君には返ってこないよ」
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最初に言われた言葉に傷つかなかったと言えば、嘘じゃない
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その人達の言葉は的を射て
実際、価値を見出しているのは「処女」という物珍しさから
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それでも会いに来てくれる人はいる
できる範囲で私を指名してくれる人はいる
だから私もその人たちにたくさんの「愛」を返したい
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不器用で拙いけど
緊張からたくさん話してしまうけど
顔を見られるのが恥ずかしくて堪らず隠してしまうけど
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触れられることがうれしい
好みの身体と言ってくれてうれしい
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不器用で拙いけど
「気持ちいい」といってくれてうれしい
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そのままでいてと
言ってくれるその言葉が私はうれしい
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選んでくれて
何回も逢ってくれて
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ありがとう
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