世に、
乳首のみにて
いと深く感じ入り、
耳はさのみ動かぬ御身もあれば、
乳首はいたう鈍きに、
耳のみにて身を震はす御身もあり。

また、
乳首も耳も、いづれも敏く、
指のさき、舌の花に触るるごとに、
ひとしほ身をよぢり、
まなじりを濡らし給ふ御身もあり。

あはれ、
かかる差異こそ、
人の世の彩りにて候へ。
「みな違ひて、みなよし」
と、わらはひそかにほほゑむなり。

おち♡ぽのほかに
ひそかなる門をひらき、二筋の快楽を
同時に授かる御身こそ、
げに幸ひなるものなり。

なぜとならば、
二つの扉をひらきて責められしとき、
心は甘露に酔ひ、
おのれを忘るるほどの愚かさに
身をまかすを得るゆゑなり♡

そのさまは、春の夜、月影と花びらとを
一度に手に受くるがごとし。
うつくしく、あはれに、そして妖しきほどに。

かくばかりの極みに至れるは、
S男の世にはいまだ叶はぬ夢。

されば申す、M男こそ、世のオスのうちにて
真に艶を知る者。

わらは、その御身を照らす
月となり、ひとしほの責めを加へむと、
心ひそかに決しぬ♡