八月のはじまり

空の色も、風の音も、夏の深まりを知らせてくれていますね

毎週あちこちで、花火大会や夏祭りも

夏ならではのざわめきが心地よく感じられます



暑さのただなかにある今も、

心のどこかに安らげる涼を求めているような、そんな日々の中



ふと思い出すのは、ある静かな伝え話



――獅子の体の中には、虫が棲んでいる

獅子は見えない痛みをかかえながら、

日々、静かに耐えて生きているのだと



けれど、牡丹の咲くころに降る花からの露だけが、

その痛みを和らげてくれるのだという――



強さの象徴であるはずの獅子が、

やわらかな花と、はかない露に癒されるなんて、

なんて不思議で、やさしい話でしょう



七月という季節、私もまた、

さまざまな出会いに心を癒されておりました



笑顔の向こうにある思いやりや、

言葉や間接的な優しさに、そっと救われながら



どんなに穏やかに見える誰かも、

心の奥には、見えない痛みや疲れを抱えているのかもしれませんね



だからこそ、せめてわたくしは、

誰かにとっての「牡丹の露」のような存在になれたらと、

静かに、けれどまっすぐに願っています



八月も、どうかやさしい出会いが続きますように



心身に染み込むような触れ合いを、ご一緒に





ふみ



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