
『イン・ザ・◯ガチャーチ』という本を読みました。
本屋大賞受賞作品ということで気になっていた一冊です。
この小説は、いわゆる「推し活」をテーマにした物語。
異なる立場の3人の視点から描かれていてただアイドルを応援する話ではなく令和という時代そのものをかなり細かく切り取った作品でした。
オーディション出身のアイドル、SNS、陰謀論、MBTI、ファンコミュニティ。
今の時代に普通にあるものが、物語の中でとても自然に出てきます。
中でも、読む前から気になっていたのがこの一文。
「神がいないこの国で人を操るには、’‘物語’’を使うのが一番いいんですよ」
この一文だけで少し怖くて、でも目が離せなくなるような気配がありました。
なぜ人は、そこまで熱狂的に誰かを推すのか。
どんな人に、どんな言葉で、どんな物語を届ければ心が動くのか。
人気というものは、自然に生まれるのか。
それとも、誰かの手によって“生まれさせられる”ものなのか。
私は推し活をしたことがないので、正直その世界をちゃんと理解しているとは言えません。
でも、この本を読んで、ほんの一部だけですが誰かを強く応援したくなる気持ちやそこに居場所を見つける感覚が少し見えた気がしました。
よく「推し活は宗教みたい」と言われることがあります。
私も、心の拠り所になることや、誰かに勧めたくなることが似ているのかな、くらいには思っていました。
でも、この本を読むと、それだけではないのだと感じます。
自分の人生に意味を与えてくれる存在。
日々の寂しさや不安を受け止めてくれる物語。
同じものを信じる人たちとのつながり。
それは、単なる趣味というより、心の奥に深く入り込んでくるものなのかもしれません。
そして、私が一番印象に残ったのは、陰謀論にハマっていく過程の描写でした。
最初から極端なことを信じるわけではない。
少しだけ疑問を持つ。
偶然見た情報に引っかかる。
自分だけが真実に気づいたような気持ちになる。
そして気づかないうちに、どんどん戻れない場所へ進んでいく。
その流れがとてもリアルで、正直怖かったです。
誰にでも起こり得る事だと思うから。
人は、正しいから信じるのではなく、信じたいから信じることがある。
寂しさや不安がある時ほど、強い言葉や分かりやすい物語に惹かれてしまうのかもしれません。
推し活、マーケティング、宗教、陰謀論。
一見まったく違うもののようで、そこには「人の心をどう動かすか」という共通点があるように感じました。
すごく面白かった、というより読み終わった後に、しばらく考えてしまう本でした。
誰かを信じること。
何かに熱狂すること。
そして、自分が何に心を動かされているのかを知ること。
少し怖くて、でもとても現代的で、知的好奇心をくすぐられる一冊でした。
長くなっちゃったぁ…
最後まで読んで下さったあなたに知っておいて欲しいことがあります。
私はすごくエロいです。ギャップに驚かないでください。
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