あみ(25)
T153 B89(G) W56 H88
彼を見下ろすこの構図が、たまらなく好きだった。
膝をつき、私の脚に縋るように額を寄せる姿。
「命じてください」と目で懇願するような顔。
私はその顔を、何度も見た。
自分の命令で彼の呼吸が乱れ、肌が熱を帯び、喉が潤むたびに、女としての本能が高ぶっていく。
自分が“与える側”にいるという確かな快楽。
指一本、目線ひとつで、彼の思考が蕩けていく様子。
まるで麻薬みたいだった。
なのに――。
「……ご褒美、ください」
伏し目がちに囁くその声に、私の内側が揺れた。
甘えたような声。
でも、どこか私を試している。
まるで、「あなたの中にある獣をもっと引きずり出してみせてよ」と言っているようだった。
胸が詰まる。
じりじりと熱い。
こっちが責めていたはずなのに、彼の言葉ひとつで、私の呼吸の方が浅くなる。
「……調子に乗ってると、壊すよ?」
そう言いながらも、私の指先は震えていた。
彼の顎に指をかけて持ち上げると、あの濡れた目が、真っすぐに私を見ていた。
その目が、私の奥の奥、もっと底の、冷たい欲望をあぶり出す。
誰にも見せたことのない、黒くて激しい、私だけの狂気。
「壊されたいんです。あなたに。」
言葉が――甘すぎた。
喉の奥が熱くなる。
そんなのずるい。そんなふうに微笑まないで。
私はもう十分に飢えていた。けれど彼の欲望は、それ以上の渇きで私を見つめていた。
そして気づく。
彼は“縋っている”ようで、どこまでも“捧げて”きているのだ。
彼は私を神のように崇めながら、同時に、“もっと下品に狂わせろ”と、身体中で訴えてくる。
ぞくぞくする。
支配して、踏みにじって、崩して、奪ってやりたい。
全部壊しても、きっと彼は微笑む。
そんなの、燃えずにいられるはずがない。
「言葉なんていらないでしょ。……あなたの身体、ぜんぶで答えなさい」
私の声が、低く、艶を帯びて落ちた瞬間。
彼の肩が震えた。
その震えに、私は快感を覚える。
そして、私の中心もまた、彼の反応に熱を持ち、潤んでいく。
私を征服するのは私。
だけど、
私を沼に落としているのは──
他でもない、M男だった。
可愛くて愛おしい私のM男くんたち今月もありがとう??
またね
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